私の咬合医療の師匠である、大阪大学名誉教授、日本咬合臨床研究所所長、丸山咬合医療センター所長の、丸山剛郎先生による2020年度臨床研修セミナー、特定非営利活動法人 日本咬合学会 質疑応答の内容です。少し長めなので分割しています。

 

質疑応答part2からの続きになります。

最初→質疑応答part1

前→質疑応答part2

次→質疑応答part4

市民公開講座→part1

 

咬合医療に関する歯科医からの質問に丸山剛郎先生が答える

という専門的な内容になっています。

 

 

Q.100%のバイトの取り方

A.まずね、正しくバイトをとるためにはね、正しい顎位の診査・診断ができるならとれるはず。
あとはテクニックの問題でしょ?このテクニックの問題を聞いてるの?
これは意味が2つあるの。100点満点の顎位のとり方なのか、バイトのとり方なのか。
バイトだったらスティックこういう種類があって、長いのも短いのもいろいろあってってね。
そのバイトそのものを説明しないといけないわけ。
それに対して、100点満点の正しい顎位の診断という意味なのかということになるわけ。

たとえばね、スティックの場合でもね、こういう場合はこのスティック使ってとかいう説明もいるわけ。
前方ピッチングの場合にはこういうバイトスティックを使ってとかね、それぞれ違うでしょ。
そういうことじゃないんだね?要するに診断を正しくできるということでしょ?
だからこの質問もらった時にね、バイトスティックの説明なのかなと思ったの。
バイトスティックの種類にもいろいろあるからね。

 

そうするとこの質問は実に簡単で、正しい診査・診断ができたらいいわけだよ。そうでしょ?
そしたらおのずと正しくとれるわけじゃん。

 

 

Q.バイトをとるときに上を向かせるのはどうしてですか?

 

A.顎を後ろに下げるためにね。
このまま上向いたままでね、バイトスティック入れてそのまま噛んでもらうのね。
前噛みしたらダメでね、そのまま奥歯で噛んでくださいって言ったら自然に顎って下がっていくからそのためです。
単にね上向いてくださいじゃなくて、天井見てくださいってね。

 

それでもダメなら、顎後ろにいかない人っているでしょ。
椅子に座らせて完全にフラットにする。頭ちょっと下げるわけ。
そうしたら100%とれます。
そのまま椅子に寝かすでしょ、頭少し下げといて。
スティック入れて、はい閉じてってしたら100%とれる。

 

なかなか後ろに下がらない人もいる。前で噛んでしまう、パン食い競争みたいに。
どうしてもこうしてしまう、違う奥歯で噛んでって言っても、前で噛んでしまう。
後ろに下げるってなかなか難しい。
だから上向いて、奥歯で噛んだら自然にとれるわけ。
それでもダメな場合は寝てあるチェアを使うわけ、そういうことです。

 

 

Q.調味料じゃないですけど、顎をちょっと右に向かせてとか、そのへんの加減って?

 

A.それはなかなか難しいことだよね。
調味料じゃないけどさ、それはやっぱり目でしょ。見慣れないと。

 

たとえば、僕が見て明らかにずれていても、別の先生が見たらずれてないって言う場合もあるのよ。
目が肥えてないから、見慣れてないから。見慣れたらすぐに分かります。
慣れてください。失敗も積んでください。
なぜっていったら、今やってる先生方でもね、間違ってるケース結構あるのよ。
あれは明らかに間違ってるというのがある。

 

でね、正しい診断するときに大事なのは、難症例と普通の症例を見極められること。
診断正しかったら絶対治るんですよ。
診断が100点違うからね、次々次々100点が90点80点になって泥沼になるわけ。
正しい診断能力つけてください。

 

 

Q.何回やっても同じような結果しかでない、どうしても思ったようにならない、100%にならないという時に修正する方法とかありますか?

 

A.4つなのよ。前上がりか後上がりか、右上がりか左上がりか。たったこの4つなのよ。
だけどたったこの4つがね、1つ間違っただけで、あと全部合ってもダメなのよ。
たとえばね、前後だと思って、一生懸命前やって後ろやって調整しても、残りの1つ間違ってたら全部ダメなのよ。
いかないのよ。だから1から僕がやり直すことになるのよ。原点に返って、全くなしから。

 

1つずつ見ても分からなかったらね、顎前に出してください、後ろ引いてください、右にやってください、左にやってくださいってやる方法もある。
まあそんなんしなくてもね、僕はできてるよ。でもね、たまに迷うときがある。
先生方にね、引っかかりそうなケースをわざと聞くの、どう思う?って。
ほとんど間違うね、引っかかるの。そういう難しいのもある。
僕でもものすごい迷うときもある。
いとも簡単に数秒で済んでしまうときもある。
う~んって見て、開閉運動も何回かしてもらうこともある。そういうケースもある。
で、これは絶対間違うだろうなっていうのを、わざと先生方に診断してもらう。
あー引っかかったって。それはあります。絶対ある。

 

僕のところに通ってみたら?
公開講座の済んだあとのときは、新患さんばっかりの日もあるわけよ。
診断ばっかりよ、たとえば5人とか。そのときに来てずっと1から見たらいいじゃん。
ほかのときにね、新患さんなんかほとんどないから。調整ばっかりだから。
調整のときも来たらいいけどね、診断見たかったらそういうときに来たらやってる。

 

前にも言ったけど、以前はみんな見学によく来てたのよ。
初診者の場合ね、先生方しょっちゅう見学来てた。
自分の患者さんもそのとき連れてくるわけ。ついでに見ていいですか?いいよってなるわけ。
ずっと見てる、最初から終わりまで。ちょっと邪魔っていうくらいしつこく見るよ。
今、そういう貪欲さが足りないね。

 

 

Q.義歯を装着している人のMFAのBTについて

 

A.これバイトの取り方だと思うんだけどね。
まずね、義歯が安定してることが大事。
バイトの取り方は基本的に全く同じ。
ただ義歯が、ろう堤もなにもないしどこ泳いでるか分からない場合無理だよね。
そういう場合は、義歯安定剤ってあるでしょ、あれ入れてかませる。
とにかく顎位を安定させる。

 

でもさあ、たとえ義歯が噛んだときに安定したとしてもスティック入れたら全部変わるでしょ。
たとえば、前歯スティック入れたら臼歯カチャっと当たるじゃん、浮いちゃうから。
そういうときに、前歯スティック入れるとしたら、臼歯にセメントスパチュラを使う。
フラットにスパチュラを入れてぐーっと起こしていくの。
起こしていったら上下くっつくでしょ、起こしすぎたらダメ。
ぐーっといったらキチンと安定するところ見ておいて、止まるとこまでやる。
それからバイトマテリアル流します。
ほんとに不安定な場合はものすごいやりにくい。
ほんとにどうしようもない義歯が安定しない場合は、義歯の作り替えから始めたほうがいいくらい。

 

でも上下フルデンチャーでね、顎位がデンチャーが全然安定しない患者さんは来たことないね。
フルデンチャーの患者さんも来るけど、それなりに安定してるよ。
スパチュラ使うことはよくある。だって噛むからね。
そっとしておいて下さいって言っても、思わず患者さん噛むのよ。そしたら片方浮いてしまう。

 

 

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