Ⅰ、身体の不調はすべてアゴズレが原因
  ⑭頭痛、肩こりからイライラ、不眠まで全身の不定愁訴はアゴから来ている
 
ところで、アゴズレと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、「顎関節症」でしょう。
顎関節症の3大症状は、アゴの痛み、顎関節の雑音、口が開きにくくなること(開口障害)です。
そして、原因については現在、一つに絞れないとする「多因子病因説」が有力になっています。
しかし私は、顎関節症の主な原因は咬み合わせの異常、すなわち、アゴのズレと、それに伴うアゴの運動の異常だと確信しています。
そしてもちろん、アゴズレから生じる症状はこの顎関節症だけではありません。


 
・姿勢が悪い、O脚、歩き方がおかしい、杖をつかないと転びやすい
・頭痛、目のかすみ、耳鳴り、難聴、鼻炎、肌荒れ
・首こり、肩こり、背中の痛み、四十肩、五十肩、腰痛、手足の冷え・しびれ
・腹部膨満感、便秘、下痢、高血圧、低血圧、動悸、生理痛、生理不順
・物忘れ、成績不振といった頭の働きに関する悩み
・不眠、イライラ、キレやすい、集中力の欠如、うつ、生きる気力の低下……
 
こうした原因不明の症状に悩む人は実に多いのですが、病院に行っても原因がわからず、冶らないと言われ、あきらめている方もたくさんいらっしゃるかもしれません。
また、症状によって自律神経失調症とか適応障害などと診断される人もいますが、そのように「病名がついても原因は不明」で、なかなかすっきり治らない病気もいろいろあるものです。
うまく症状がコントロールできないと、日常生活や社会生活にも支障が出てしまいます。
そうした不定愁訴の原因として、アゴズレを見すごすわけにはいきません。
 
私は歯科医師として、20年余りにわたって大阪大学名誉教授の丸山剛郎先生が提唱する「丸山咬合療法」に取り組み、1,000人以上の患者さんを治療してきました。
その長い診療歴の中で、咬み合わせを治すと、原因不明とされていた不定愁訴も治まるケースが数多く見られました。
逆に言えば、咬み合わせの異常、すなわちアゴズレがさまさまな病気を引き起こしていたということです。
ここまで科学的、解部学的に説明してきたように、アゴズレは全身の筋肉の緊張や、骨格のゆがみ、脳への血流障害などを招きます。
このため、身体の正常な機能が妨げられて、さまざまな症状を引き起こすのだと考えられます。
だから、「たかがアゴ」などとあなどってはいけないのです。
 
参考文献:「咬合革命」、「知られざるアゴの秘密」丸山剛郎先生著
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青木歯科医院