Ⅰ、身体の不調はすべてアゴズレが原因
  ⑬正しい姿勢を保つにはアゴの位置が肝心
 
前回までのブログでは、筋膜の話題に力点を置いて、アゴズレが全身に及ぼす影響を解剖学的に説明してきました。
ここで改めて基本的な力学の話に戻りますが、空間内での身体のバランスは、三つの軸によって保たれていると言えます。
 
まず、空間を左右に横切る「X軸」に対して、身体は前や後に傾きます。この動きをピッチング(屈曲)と言います。
次に空間を前後に貫く「Y軸」を基準にすると、身体は右や左へ傾きます。この動きはローリング(回転)と呼ばれます。
そして、上下の方向に伸びる「Z軸」に対しては、右や左に回転します。これはヨーイング(回旋)という動きです。

全身の姿勢を保つバランサーとして機能しているアゴは、身体が傾きかけるとこの3方向に対して臨機応変に動きます。
アゴの位置によって、身体はさまざまな方向に傾いてバランスを取ります。
このように、アゴの位置と姿勢には大きな関わりがあるため、正しい姿勢を保つにはアゴの位置が非常に重要となるのです。
 
逆に、デリケートなアゴをバランサーとして酷使すると、ゆがんだアゴの位置がズレとして定着し、悪い姿勢となって現れます。
そして、その程度によってはさまざまな不定愁訴を招くことになるのです。
このX、Y、Zの3軸は、アゴのズレを調べるときにも大事な目安となります。
正しい位置からのアゴのズレも、身体の中心を基準にしたX軸、Y軸、Z軸に対する偏りの度合いとして把握できるからです。
 
参考文献:「咬合革命」、「知られざるアゴの秘密」丸山剛郎先生著
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