歯並びについて(切端咬合)かみ合わせシリーズ⑧
正常な場合、上の歯は下の歯に被さるようになりますが、上下の歯先が重ならずぶつかり合っている状態を切端咬合(せったんこうごう)と言います。
毛抜きの形のような噛み合わせになるため、「鉗子状咬合(かんしじょうこうごう)」と呼ばれることもあります。
ちなみに、前歯(切歯)の先端を切縁(せつえん)といいます。リンゴをかじったり、麺類を噛み切るのに使われます。
全ての前歯が切端咬合になっている事は珍しく、通常一部の前歯に認められることが多い歯並びです。
この歯並びを放置すると前歯に負担が掛かり、ぶつかり合っている先端部が欠けたり、すり減ったりする恐れがあります。
また、奥歯のかみ合わせが悪い場合が多く、前歯だけでなく噛む力が全体的に伝わらず物が噛みにくくなるでしょう。
さらに、強い圧が原因で虫歯が無くても前歯が痛んだり、歯の摩耗によりエナメル質が剥がれてそこが虫歯になったりという健康上のトラブルの可能性も増加します。
原因としては、基本的には反対咬合の場合と同様で上下顎の位置的な問題、上下の歯並びの問題そして顎(あご)の骨と歯並びの両方の問題に起因しています。
まず、骨の問題としては上あごに対して下顎の骨が正常な状態より前にあり、上下の前歯がちょうどぶつかる位置にある場合で、小児期に下あごが成長する過程で見られることがあります。
また、前歯のかみ方の一症状を指しているので、歯並びに関しては、ガタガタ歯(叢生)、すきっ歯(空隙歯列)、受け口(反対咬合)、左右的なズレ(交叉咬合)とほとんどの不正咬合が複合的な症状として現れます。
子供の場合、大人になるまでに自然治癒するケースは少なく全体の10%ほどと言われています。
さらに顎が過成長してしまうと骨を切断するなどの大きな手術しか選択肢が無くなってしまいます。そのような手術は患者の体に負担が大きいため、できるだけ小さな措置で済むうちに治療する事をお勧めします。
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