前歯は、普通は上が外側、下が内側になってかみ合わせるようになっていますが、下顎の歯並びが上顎の歯よりも前に突き出ていて、受け口のようになっていることを反対咬合(はんたいこうごう)や下顎前突(かがくぜんとつ)といいます。
受け口には、下顎の過度な成長や上顎の成長不十分による骨格性のものと、上の歯が後方に傾斜したり下の前歯が前方に突出しているものがあります。

原因として考えられるのは、主に5つ
・上下の顎(あご)の発達がアンバランス

・歯の生える向きによるもの
・親から引き継いだ顎の形や大きさによるもの
・幼児期の指しゃぶりや口呼吸といった悪癖
・歯や顎、筋肉の発達途中で起こる成長の不調和

では、その受け口を放置するとどういった弊害がでるのでしょうか。

①まず咀嚼について
前歯同士の接触が良くないことから、“噛み切る”という動作を上手く行えない人もいます。咀嚼が不十分だと消化不良を起こしやすくなり、体の発育に大きく影響してきます。
また、咀嚼は脳の働きとも深く関係していることから、できるだけ早い段階での対処をおすすめします。
咀嚼が十分にできないため、柔らかいものばかり食べている子どもさんにも注意が必要です。

②発音や滑舌(かつぜつ)が悪くなる
発音の良し悪しは、唇・舌・前歯の状態に左右されるといわれています。
反対咬合では前歯の噛み合わせが通常と逆であることから、言葉の発音が悪くなりがちです。噛み合わせに隙間が出来てしまう事が原因で、歯と舌先が触れる“さ行”や“た行”の発音が難しくなってしまいます。
(歯並びの悪いアナウンサーは見たことがありません)


③顎関節に負担、顎関節症になる可能性が高くなる
下顎(したあご)は、首・肩・腰など、体の軸となる骨と深い関係性があります。
全身のバランス維持に欠かせないものです。反対咬合の場合、下の顎が固定されていることで他の関節や骨に負担がかかり、関節痛や肩こり、腰痛など様々なトラブルが起こりやすくなります。

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