「丸山咬合医療シリーズ」
Ⅰ、身体の不調はすべてアゴズレが原因
③人体を高層ビルに例えると、アゴは「耐震バランサー」
実はアゴには全身の姿勢を保つうえできわめて重要な役割があります。
直立二足歩行に伴い、頭部から吊り下がったアゴは、その可動性の高さから全身の「バランサー」として機能する事になったのです。
ヒトは直立二足歩行を始めた結果、不安定な二本の足に全体重をかけ立ち、移動するときは片足ずつ上げて歩くことになりました。
直立二足歩行とは実に不安定で、常に前後・左右への揺れに耐えながら直立を保っていることになります。
高いビルが地震の揺れに耐えているようなものです。
人間が不安定な姿勢でも転倒することなく、平気で歩いたり立ったりしているのはなぜでしょう。
どこかにバランスを取る機能が備わっていると思われます。
建築の世界を考えると、あることに気づきます。
超高層ビルの地震対策として、大きな振動エネルギーを吸収するバランサーが開発されています。
ビルの屋上付近に振り子のような動きをする巨大な重りを載せ、振り子が建物の揺れと逆方向に振れることで、振動エネルギーを吸収する仕組みです。
建築物を地震から守る技術には、建物を壊れないように強化する「耐震技術」や、地震の揺れを建物に伝えないようにする「免震技術も」併用されていますが、バランサーを付けて揺れを吸収させる技術を「制震技術」といいます。
超高層ビルの耐震バランサーは、例えば高さ220mのビルなら、屋上に8mの重りを吊り下げる形で構築します。
重りの重量はビルの3%です。
一方、身長1m50cmのヒトを考えると、下アゴを吊り下げている側頭筋の長さは約5cm、下アゴの重さは約1kgあります。
なんと、身長と平均的な体重の3%に相当するのです。
参考文献:「咬合革命」、「知られざるアゴの秘密」丸山剛郎先生著
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