「丸山咬合医療シリーズ」
Ⅰ、身体の不調はすべてアゴズレが原因
⑧アゴズレが起こると、首・脳はどうなる?
直立二足歩行によって、私たちは前後20数センチという小さな一対の足で、重さ数10kgの全身と、約6kgの頭を支えるようになりました。
そして、頭部は約1kgの下アゴを吊り下げた構造になりました。
下顎骨(かがくこつ)は、顎関節で頭蓋骨に連結してはいますが、固定されているわけではなく筋肉でぶら下がっているにすぎません。
可動性が高いこの構造によって、アゴは全身のバランサーの役割を果たすとともに、ズレを生じやすくなったわけです。
では、アゴがズレると、他の部位にどんな影響が及ぶでしょうか。
まず、頭がズレた方向に傾こうとします。すると、頭部を支えている頸椎(けいつい)の本来の弯曲(わんきょく)がゆがみます。
この弯曲異常によって、頸部の血管や神経は圧迫されます。
脊柱(せきちゅう)の中を通って頸椎から外に出てくる末梢神経が圧迫されると、手足のしびれなどを生じることがあります。
また、この動脈が圧迫されて脳への血流が不足すると、脳の栄養・酸素が欠乏(けつぼう)して、さまざまな不定愁訴(ふていしゅうそ)や脳の機能低下が起こることにもなるのです。
そのような問題があるときには、本人が自覚していなくても、必ず首の筋肉が硬直した状態になっています。
私は、アゴズレによるこの首への影響を重視しており、アゴ矯正を行う際には、必ずアゴズレの診断の一環として頸部の触診をしています。
触診を行うと、頸部のゆがみや筋肉の硬直がわかり、血管・神経が圧迫されて不定愁訴の原因を作っているかどうかが診断できます。
参考文献:「咬合革命」、「知られざるアゴの秘密」丸山剛郎先生著
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