Ⅰ、身体の不調はすべてアゴズレが原因
  ②直立した身体のてっぺん→頭まで血液を届けるのは大変!!

ヒトが直立二足歩行を始めたことによる欠点の一つが、脳への血流への問題です。四足歩行の状態と比べれば簡単に分かることですが、二足歩行になると心臓の位置が高くなります。足の先から心臓に血液が戻るのは大変になり、これが「むくみ」などの原因にもなります。
しかし、より深刻なデメリットと言えるのが、頭が心臓よりさらに上に位置する事です。つまり、血液が脳に届きにくくなるわけです。
一人の大人の血管全長は、約9万6,000Kmにも及びます。これは地球を2周半する距離に匹敵する驚くべき長さです。
全身に血液を行き渡らせるため、心臓に強力なポンプ作用が備わっているのです。しかも、身体に張り巡りされた長い血管網のうち約90%が、直径8μ(ミクロン)と目に見えないほど細い毛細血管です。
そのため、何もしないでじっとしていると、血液循環は悪くなりがちなのです。
運動して筋肉を動かしたり、歩行時に振動が伝わったりしなければ、毛細血管の血液は簡単に停滞してしまします。

もしも脳に血液が届かなくなると、身体は最大のピンチを迎えます。
私たちの脳の重さは身体全体の2%しかないのに、脳への血流は身体全体の20%、1分間に約750ccも必要としています。複雑高度な脳の動きに、豊富な栄養と酸素が欠かせないからです。
その脳に血液を運んでいるのは、頭部に向かう動脈のうち、主に椎頚動脈です。
椎頚動脈は第一頚椎から出て頚椎の内側を蛇行し、脊髄が通っている大後頭孔から脳へと繋がって
います。

一方、内頚動脈はアゴの下で総頚動脈から別れ、脳へと向かいます。これが何を意味するかといいますと、脳が必要とする大量の血液の供給ルートが、首とアゴのつけ根を通っている。ということは、ここにゆがみが生じてしまうと脳への血流に支障が出るということなのです。
 
ズバリ、アゴがズレただけで、脳をはじめとする頭部に不定愁訴を生じやすいのが、我々の特徴であり、それは直立二足歩行の代償だと言えるのです。たかがアゴくらいではなく、「されどアゴ」なのです。

 
参考文献:「咬合革命」、「知られざるアゴの秘密」丸山剛郎先生著
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