フッ素で虫歯とさようなら!
今回は「高濃度フッ素って配合したらどうなるの?」という話をしようと思います。
フッ素は虫歯予防という点で欠かすことができない成分で
3つのはたらきをもっています。
①歯の再石灰化を促進する
口の中では、飲食物に含まれている酸や、細菌がつくる酸により
ミネラルなどの歯の成分が唾液中に溶け出す「脱灰」と、
溶け出した成分が唾液のはたらきによって
歯に戻っていく「再石灰化」が繰り返されています。
脱灰のスピードが再石灰化のスピードを上回る状態が続いてしまうと
だんだんと虫歯になっていくのですが、
フッ素にはその再石灰化を促進させる効果があります。
初期虫歯ならフッ素の効果で治ってしまうことも!
②虫歯菌のはたらきを弱める
細菌のかたまりであるプラークのなかにフッ素の粒子が入り込み、
虫歯菌が糖から酸をつくる活動を邪魔してくれるので
歯が溶かされにくくなります。
③硬く丈夫な歯にする
再石灰化時に歯を酸に溶けにくい硬く丈夫な性質に強化してくれます。
歯が硬くなることで食事でもミネラルなどが溶け出しにくくなり、
虫歯にかかりにくい歯になります。
ただし、十分に硬くなるには数か月から数年使い続ける必要があります。
さて、フッ素が虫歯予防に欠かせないということは分かって頂けたと思います。
「じゃあ高濃度だともっとすごいの?」
そうなんです!濃度が上がるとフッ素のはたらきが全て強化されます。
2017年3月までは1000ppmだった上限が、国際基準(ISO)に則って1500ppmまで引き上げられました。
それ以来各メーカーが上限に対応したフッ素濃度1450ppmの歯磨き剤を発売しており、これを高濃度フッ素配合歯磨き剤と表現しているんです。
1000ppmというのはフッ素の配合濃度が0.1%ということです。
「500ppm高くなるごとにむし歯予防効果が6%上昇する」
という世界保健機構の報告もあります。
つまり、高濃度フッ素を配合することによって
高い虫歯予防効果を期待できるということですね!
虫歯予防に欠かせないフッ素ですが注意点もあります。
・歯みがき後にフッ素を長くたくさん残すことが大切
日本人は歯みがき粉を少なく使いがちなのと、
すすぎが多いのとでフッ素をたくさん残せていない場合が多いです。
なので歯みがき粉は気持ち多めに、すすぎは1回。
具体的な歯みがき粉の量は、6歳以上は1cmほど
15歳以上は2cmほどでいいでしょう。
・6歳未満の子どもには高濃度フッ素配合のものを避ける
6歳未満ではまだ歯が形成途中のため、毎回飲み込んでしまった場合など
歯のエナメル質が白く濁って見える「歯のフッ素症」になる可能性があります。
製品にも記載されていますので、誤って使用しないように注意しましょう。
6歳未満の小さいお子さんには高濃度フッ素配合歯みがき粉は使えませんが
代わりに歯医者さんで「フッ素塗布」という方法があります。
予防としてお子さんに新しい歯が生えてくるたびにフッ素を塗布して歯を強化していきます。
塗った場合と塗らなかった場合とでは、虫歯のリスクがおよそ3割程度変わるといわれます。
「フッ素塗布は危険」という噂もあるようですが、そんなことはありません。
歯医者が整った環境で行うので安心して来院してください。
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